もちろん、地名や最寄り駅だけをアイデンティティとし、その大規模開発独自のイメージを消すというのもひとつの手です。 ただ、20戸以上の新築が同じ時期に建つと、周囲の住宅群とは異なった地域・場所だと認識されることは明らかです。
地名・最寄り駅が極めて強力なブランドであれば、また別の話です。 しかし、そうでないのであれば、地名や最寄り駅だけではなく、”その場所”に住みたいと思わせられるかどうかが、土地の資産価値を守る上では重要です。
望むらくは、その開発した場所だけが、周囲よりも良い場所だと認識されて、地価が高く保たれることでしょう。 そのためには、住人が、高い意識を持ち続けることが必要です。

ただし、本当の意味でひとつの場所が”高級”というステータスを得るためには、時間がかかります。 その時間の中には、資産価値を守ろうという住人の積極的な働きかけもあるでしょうし、あるいは、”なにか”に惹かれて自然発生的に高級感を醸し出す住人・家屋が集まる時期もあるでしょう。
ただ、残念ながら、将来がどうなるかは分かりませんし、現段階で、一般の世帯が購入できる建売住宅や分譲地のコミュニティがステータスのある住宅地と認識されるというのも、正直、違和感があります。 一方、大規模開発の場合、まったく新しい住宅地を作っています。
そこがある程度の高級住宅地として認識され、他の人が住みたい場所になるかどうかはどうすれば予想できるのでしょうか。 私は、基本的にはそのような場所はもう残っていないと思っています。
確かに、東京圏以外では、主要駅から30分くらいのところに、未開発で宅地にできるところがたくさん残っていまして、最寄り駅まで徒歩15分、その駅から主要ターミナル駅まで20分という広大な空き地も簡単に見つかります。 しかし、東京圏ではそのような便利かつ大規模開発ができる場所はほとんど残っていませんから、どうしても、大規模な開発は不便な場所にならざるを得ません。
ここで言う不便な場所というのは、たとえば、最寄り駅が東京駅から1時間程度、隣県や多摩地区というだけではなく、最寄り駅からの距離も遠いところです。 そのような不便な場所でないと、大規模な開発ができる土地は余っていません。
中古としてその物件を購入するには、魅力が相当劣ってしまいます。 これも”新築は七難隠す”の例かもしれませんが、新築で、かつ戸建てを購入できる・建てられると思うと、私たちはどうしても舞い上がってしまい、将来いくらで売れるかではなくて、自分がその物件を買えるかどうかという計算が先に働きます。
それ良体を否定するつもりはまったくないのですが、将来的に資産価値を守るという意味では、このような大規模開発の場所が、土地として適切とは思えません。

オーダーメイドの賃貸住宅が完成しました。実用性を追求した賃貸です。